2023年もそろそろ半分が過ぎつつある中で、2022年のベストアルバムを今決める。
いや、単純に忙しくてまとめきれてなかっただけなんですが、とりあえず記事更新。
- 10位:「Rakshak」Bloodywood
- 9位:「My Father's Sun」Jani Liimatainen
- 8位:「Deep In The Heart of America」The Motion Epic
- 7位:「A Modern Life」Lo Moon
- 6位:「Epical」Rob Moratti
- 5位:「Being Funny In A Foreign Language」The 1975
- 4位:「Hiss」Wormlot
- 3位:「アイランド」明日の叙景
- 2位:「The Sick, The Dying...And The Dead!」Megadeth
- 1位:「真実を知っていく物語」摩天楼オペラ
10位:「Rakshak」Bloodywood
インド出身だけあって土着的な民俗音階にトライバルなメタルサウンドを混ぜ合わせた手腕がお見事。とはいえ、ルーツはNWOBHM直系ということではなく、2000年代以降のNu Metalの系譜に近く、Slipknotあたりが好きな人にガッツリと刺さるはず。個人的にはもっと様式美であって欲しいけど、ライヴアクトとして見ればこの方向性が正解なのかも。
9位:「My Father's Sun」Jani Liimatainen
元Sonata Articaのギタリストだけあって、HR/HM特有の様式美が全編に渡って貫かれています。北欧らしい叙情性あふれる旋律に、エッヂの効いたギターサウンドが気持ちイイ。リフもめちゃくちゃ良いですね。楽曲のアレンジも上手いし、ソロプロジェクトとしては文句なしの出来かと。
8位:「Deep In The Heart of America」The Motion Epic
カナダのモントリオールからSynthwaveを鳴らし続けるThe Motion Epicの新譜。トップガンのエンディングのような、全曲エモーショナルな1980年代世界観で満たされた傑作です。2曲目の「Broken Heart」が突出し過ぎてて他の楽曲が霞んで見えるけど、、、んなこたあないですね。最近になってシティポップとか好きになった人にも聴いて欲しいジャンル。最高。
7位:「A Modern Life」Lo Moon
LA出身のIndie Popバンド、Lo Moonの2作目。何よりもLo-Fiな世界観が素晴らしい。このままメランコリックなElectronica道を究めてくれたら最高のバンドになるのでは?その昔、くるりが「ワールズエンド・スーパーノヴァ」をリリースした時、同じことを考えたのを思い出します。エレクトリックな打ち込みにシフトするなら、次作で化けるかもしれない。
6位:「Epical」Rob Moratti
カナダのメロハーご意見番として君臨するRob Morattiの新作。相変わらずソングライティングが安定していて、こちらも安心して楽しめるメロディアス系ハードロックアルバムに仕上がっています。ギターはJoel Hoekstraということで、ギターソロなども安定感抜群。個人的には1stで参加していたReb Beachが好きだったけど、Rob Morattiのサウンドには Joelが合っているのかもしれない。
5位:「Being Funny In A Foreign Language」The 1975
解散しそうで解散しない、The 1975の5作目。本作はとにかく原点回帰的な内容が素晴らしかった。個人的に彼らの1stが大好きだったので、10曲目の「About You」には思わず鳥肌が立ってしまった。デビュー時からバンドの成長を見届けてきた「一緒の時代を生きている」感みたいなところにも、グっときてしまったから。これがあるから、音楽はやめられない。
4位:「Hiss」Wormlot
シンガポールからやってきたグラインドコアバンドの新作。これがマジでヤバかった。僕が10代の頃に聴いていたグラインドコア系よりもずっと聴きやすいんだけど、しっかりとルーツの芯が通っているというか、バイオリンなどの楽器を通して暴虐的で狂気的な世界観を上手く演出していると思う。全体のサウンド的には初期Sepulturaのそれに近いから、食わず嫌いせずに聴いてみて欲しい音です。
3位:「アイランド」明日の叙景
本作は明日の叙景にとって、極めてエポックメイキングな傑作となりました。ジャンル的にはPost Black Metalとか言われているけど、、、個人的にはShoegazerの今を体現していると言ってもいいんじゃないかな?特に本作ではJ-Popへの近接が明確になったけど、それがとっても確信犯的なのが良い。計算してもここまで上手く出来るとは限らないから。時に、音楽を活用した自己表現というカテゴリーにおいて、可能性という枠組みを自ら拡張し続ける彼らの意図を、果たしてリスナーがどこまで了承していくのか興味深い。現在のBuck-Tickがそうであるように、もっと寛容なリスナーが増えて欲しいと思います。
2位:「The Sick, The Dying...And The Dead!」Megadeth
あんまり期待せずに聴いてみたら、とんでもない傑作だったっていうオチ。少なくとも本作が「Countdown to Extinction」(1992年)の後にリリースされていたら、よもやよもや、Metallicaを軽く超えていたかもしれん。いや本当に。それぐらいバンドサウンドとして完成度の高いアルバムです。近年はムステインのソロプロジェクトみたいな印象が否めないんだけど、本作はちゃんと「バンド」してますから文句なしですよ。このメンバーであと数作品はリリースして欲しいな。
1位:「真実を知っていく物語」摩天楼オペラ
X Japanを発火点とする日本のV系Rockの歴史において、間違いなく名盤として語り継がれるであろう本作。世界観、音楽性、演奏技術、この3要素が三位一体となって怒涛のように押し寄せる約43分の物語。あまりの素晴らしさに、僕がnoteで執筆した記事は500文字を超えてしまいました。V系に興味ない人もぜひ読んで頂きたいですね。音楽の歴史的参照という好例としても、絶対にスルーしてはいけない作品だと思います。