Rob Moratti「PARAGON」★★★★★
メロハー界の至宝、Rob Morattiが新作を発表してくれました。
こうしたソロ作品でも、コンスタントにリリースしてくれるのは素直に嬉しい。
しかも、サポートメンバーを毎回しっかりと揃えて製作しているところに、彼のプライドというか、本当にこの音楽が好きなんだなと改めて痛感します。
やっぱり「好き」は最強ですね。
それではPVからチェックしていきましょう。
本当に、歳を重ねても安定感が凄いですよ。
ハイトーンな声質も素晴らしく、伸びのある中にコシがあって、しつこくない。
特にメロハーと呼ばれるジャンルの中で、しつこくないというのはとっても重要なテーマです。
音楽性としては、要するにAORに近接するわけですから。
で、今回の目玉はギタリストにJoel Hoekstraを迎えたこと。
現在はWhitesnakeに在籍しておりますが、元Night Rangerと表記した方が往年のファンには伝わるかもしれません。
そもそも、Rob Morattiの1作目にはReb Beachが参加しており、恐らくその繋がりもあったんだろうと容易に想像出来ます。
また、ベーシストにはTony Franklinですよ。
古くはJohn Sykesから、矢沢永吉や氷室京介、B'zの楽曲にも参加しています。
つまり、それだけ幅広い音楽性に対応出来る器用なミュージシャンってことです。
ところで、Rob Morattiのソロ作品に関しては、以下の通りです。
- 「Victory」(2011年)
- 「Transcendent」(2016年)
- 「Renaissance」(2019年)
- 「PARAGON」(2020年)
(途中、Journeyのカバー作品がありますが、割愛。)
ファンの間では、やはり1作目「Victory」の衝撃が大きいです。
楽曲はもちろん、アルバムの構成力も素晴らしく、2010年代を代表するメロハー作品として僕もプッシュしておりました。
ところが、2作目、3作目でやや失速した感は否めませんでした。
駄作とかそういうことではなく、1作目の勢いを越えられなかったという意味です。
そういう意味で考えますと、本作「PARAGON」は1作目に匹敵する、、、いや、もしかすると最高傑作の名に恥じない作品と言えるのではないでしょうか。
僕自身、まだ3回ほどしか聴いておりませんので結論を急ぎたくありませんが、少なくとも、過去作以上にアダルトな雰囲気でメロウなアルバムに仕上がっていると思います。
ただ、少し残念なのはサウンドプロダクションでしょうか。
優秀なエンジニアを雇うのはお金がかかると思うのですが、もう少し粒立ち感と低音のアタック感を強調してもらえると、僕の好きな音の輪郭になっていたはず。
どちらにせよ、楽曲の品質は間違いありませんので、メロディアスなハードロックが好きな人はぜひチェックしてみてくださいね。