NEODEAD MANIA

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NeO的Album of the Year 2013

GRAMMY.com | The Official Site of Music's Biggest Night

グラミー賞の授賞式まではまだ時間があるが、多忙な年末を見越して、私も早々にAlbum of the Yearの記事をまとめておこうと思う。
前回は主にClub Music系に限定させてもらったが、今回はジャンルにこだわることなく公平且つ主観的にセレクト。
あくまでもアルバム全体としての評価なので、焦点はいかに捨て曲が少ないか、という点に集約する。
加えて全体のコンセプトが楽曲のみならずジャケットデザインなどアートワークにもきちんと反映されているかどうか、この点にも注意して選んでみた。

ちなみに、昨年の1位はKeaneの「Strangeland」だが、未だ当blogにてレビュー記事を書いていないことが悔やまれる。
UK Rockという枠の中でも、10年に1枚出るかどうかの大傑作だっただけに、今後機会があれば感想を残しておきたい。
(一昨年の1位はRob Morattiの初ソロアルバム「Victory」。こちらもまだ記事は未完につき今後の宿題である。)

それでは今年の10位からご覧頂こう。


10位:NEW DEMONS / I SEE STARS

New Demons

I See Starsにとって4作目となる本作はこれまで以上にポップでエレクトロニックな仕上がり。
元々はポスト・ハードコアに分類される彼らだが、スクリーモの亜種として、所謂ハードコア・パンキッシュ・エレクトロニック・メタルの今年を代表する1枚と言えるだろう。
全曲が好印象だが、特に6曲目「Murder Mitten」の出来は、直感的に次世代スクリーモの登場を予感させる名曲と言っていい。


9位:MORE THAN JUST A DREAM / FITZ & THE TANTRUMS

More Than Just a Dream

ネオ・ソウルの代表格として、まさにその名にふさわしい傑作となった2nd。
ファンク要素あふれるリズム感と安定感のある歌唱力でアルバム全体の雰囲気も引き締まり、同ジャンルにおいて確実に頭1つ抜けた会心の一作である。
2曲目「Break The Walls」、4曲目「Spark」、6曲目「Fools Gold」、これら3曲のためにアルバムを買うことは決して間違いじゃない。
2013年6月2日にレビュー記事をup済み)


8位:TRUE / AVICII

True

今年になってから徐々に閉塞感が漂い始めていたEDM界において、名実ともに爽快な風穴を開けた作品である。
そして私の考える「Club Musicの正しきPops化」を見事に体現したAviciiの末恐ろしさたるや、西野カナ風に言えば思わず震えがきてしまうほどだ。
歌って踊れるポップスとしては、3曲目「Hey Brother」と5曲目「Dear Boy」のクオリティが異様に高い。


7位:UNSTOPPABLE MOMENTUM / JOE SATRIANI

Unstoppable Momentum

サト兄の愛称で広く親しまれる巨匠の最新作は、Vinnie Colaiutaというドラム職人との相乗効果もあり、記憶に残る作品となった。
ここ数年、その完成されたギタースタイルが故に、楽曲のネタも出尽くしてしまった感さえ漂わせていたが、本作で見事に健在ぶりをアピールした格好だ。
捨て曲はほぼ皆無であり、中でも9曲目「Jumpin' Out」はテクニカルとポップが高次元で同居した名曲だろう。
2013年10月13日にレビュー記事をup済み)


6位:ICE ON THE DUNE / EMPIRE OF THE SUN

Ice on the Dune

実験的要素が濃厚だったデビュー作に比べ、格段に方向性が定まった2nd。
中でも3曲目「Alive」は本アルバムをリードする楽曲であり、Empire Of The Sunにとっても屈指の名曲と言えるだろう。
加えて7曲目「I'll Be Around」のような楽曲が書ける段階でこのバンドの未来は保証されたようなものだ。
2013年6月27日にレビュー記事をup済み)


5位:THUNDER IN THE DISTANCE / PLACE VENDOME

Thunder in the Distance

Michael Kiskeによるソロプロジェクト色が強かったPlace Vendomeも、本作でようやくバンドらしい塊感のある内容に仕上がった。
一時期はUNISONICの結成によってPlace Vendomeの存続さえ危ぶまれたが、こうして正統派メロハー路線に方向性が定まったことは大歓迎である。
アートワークも過去作からブレることなく、そのメロディアスハードな楽曲と正比例するかの如く、総じて印象が良いのも特徴的。
特に7曲目「Hold Your Love」は近代北欧メロハー史に残る名曲である。


4位:WHAT ABOUT NOW / BON JOVI

What About Now

Bon Joviにとって12作目となる本作は、カントリー路線に舵を切った「Lost Highway」以降における集大成的作品となった。
ベテランとはいえ、これほど高品質な楽曲を未だにクリエイト出来るバンドのポテンシャルに誰もが驚かされることだろう。
全曲素晴らしい出来映えだが、特に4曲目「Pictures Of You」は現代に甦った「In These Arms」のようで感動さえ覚えた。
唯一、ギタリストでありメインソングライターでもあるリッチーサンボラの去就が気にかかる。
2013年4月8日にレビュー記事をup済み)


3位:THE TERROR TAPES / GAMA BOMB

The Terror Tapes

3位は文句なしのGama Bomb。
80年代ベイエリアスラッシュ勢をリスペクトしつつ、モダンなメタル要素とパンキッシュな疾走感を実装した内容は傑作にふさわしい出来。
多くの若手スラッシャーの中で、確実に頭1つ抜け出た存在となったことは本作が如実に証明している。
4曲目「Beverly Hills Robocop」のセンスには脱帽するしかない。参りました。
2013年8月16日にレビュー記事をup済み)


2位:RANDOM ACCESS MEMORIES / DAFT PUNK

Random Access Memories

2位も文句なし。
Daft Punkにとっても、90年代以降勃発したエレクトロニックなClub系ジャンルにおいても、歴史的評価は避けようのない大傑作である。
高品質なサウンドプロダクションのみならず、Nu Discoを具現化した神懸かり的アレンジは、まさにフレンチエレクトロの新境地。
当然に捨て曲はなく、7曲目「Touch」などは全音楽ファンが今すぐにでも聴くべき珠玉の名曲と言えるだろう。
2013年7月17日にレビュー記事をup済み)


1位:THE 1975 / THE 1975

1975: Deluxe Edition

1位は迷わずThe 1975をプッシュ。
このデビューアルバムにして次世代UK Rockの象徴的な存在となった彼らだが、その中身はベテランの風格すら漂わせる驚異的な内容だ。
均整のとれたバンドサウンドはもちろんのこと、リスナーの心を鷲掴みにするような好アレンジの応酬により、ヘビロテに耐え得る極上の名盤に仕上がっている。
それにしても新人バンドにしてこのクオリティの高さは、もはや事件とさえ言えるのではないだろうか。
そんな粒揃いの楽曲の中でも、4曲目「Chocolate」、5曲目「Sex」、9曲目「Settle Down」、10曲目「Robbers」はUK Rock史に残る名曲としてファンの間でも長く語り継がれることだろう。
来年早々には単独での来日公演も決定し、今後の活躍に一層の期待がかかるバンドである。
2013年9月16日にレビュー記事をup済み)



そのほか、今年新作をリリースしたアーティストの中では、Perfume、Five Finger Death Punch、Lovex、Red、W.E.T.、Vertical Horizon、Heaven Shall Burn、Megadeth、Dark Moor、Capital Cities、Starkill、Tellus Requiem、Suede、Blutengel、Pure Love、New Ivory、Gold Fields、そしてCTS(全て順不同)などが好印象だったが、最終的には私の独断と偏見で上記10枚を選ばせてもらった。
(今回ランク外となった作品については、今後レビュー記事などで補完するつもりだ。)

総評として、今年は新人、若手、ベテランともに豊作だったように思う。
何よりも近年における音楽機材の飛躍的な進歩のおかげで、高音質な作品が目に見えて増えたことはとても好ましい事態だ。
これはDJの世界でも当然のことだが、音質にこだわるアーティストがますます増えていくことを密かに期待しつつ、来年も良作に出会えることを切に願いたい。