【Synthwave】LA出身のシンセウェイヴ系プロデューサー、Droid Bishopの新譜「Rebirth of the Machine」が激チル&エモ傑作!
Droid Bishop「Rebirth of the Machine」★★★★★
すでに当ブログではシンセウェイヴ系の音源を数々紹介してきました。
また、その成り立ちや歴史的視点も過去記事で言及した通りです。
確実に言えることは、このムーヴメントは一過性のものではなく、むしろファン層が広がり続けているような気もするんですね。
それはシンセウェイヴが内包する多様性にも一因があると思いますが、今宵紹介するDroid Bishopはこれまで紹介してきた"Back to 80's"とは明らかに一線を画します。
新譜の音源を聴いて頂くのが一番なので、まずはご試聴お願いいたします。
いかがでしょうか。
少し分かりやすい表現をすれば「Tychoがシンセウェイヴをやったらこんな感じ?」と僕は直感しましたが、どうですかね。
さらに言わせてもらうと、この世界観は以前紹介したUnfoundにも通じるものがありますね。
そうです、チルウェイヴです。
このベクトルはThe MidnightやFM-84とはまた違った方向を向いておりまして、楽曲のアレンジ的にも非常に面白いことにチャレンジしています。
根底にあるのはBrian Enoだったり、Global Commnuicationだったり、アンビエント系からの歴史的な参照はいくらでも可能ですし、その憶測がまた楽しかったりします。
過去作と比べても格段の音質向上もあり、全体的にとても聴きやすいです。
ほぼほぼ、内容はインスト楽曲が主ですが、「Near Dark」や「Hypersleep」などで突然Vocalモノが流れてくるのは本当に卑怯です。
いや、失禁しますってば。
全体的に、漂う空気は不穏でありつつも、素晴らしいカタルシスを備えたアルバムだと思います。
そもそもこの時代に、懐古的で甘美的なLo-Fiサウンドって贅沢ですよね。
他のシンセウェイヴ系アーティストと同じく、Droid Bishopも1980年代を意識しているのは間違いないのですが、どちらかというと、1980年代の世界がそのまま続いた未来と言いますか、ある種のパラレルワールド的な感想を抱かせるところに僕は大変感服いたしました。
もしかするとこの感覚は、あの平沢進先生の世界にも通じているような気もします。
ジャンルは違いますけれども、世界観って本当に、本当に大事なんですよ。
間違いなくたぶん、Droid Bishopは本作で一気に知名度を上げるでしょう。
とにかく、チルいシンセサウンドが好きな人には鉄板ですし、韻シストやnujabesを好む人にもお勧めしておきます。
これで猛暑を乗り越えていきましょう!