【Synthwave】ドイツからナチュラルボーンなシンセウェイヴを鳴らすSiamese Youthがデビューアルバム「Electric Dreams」を発表!
Siamese Youth「Electric Dreams」★★★★★
シンセウェイヴというジャンルについては、当ブログでは何度も記事にしておりますので、説明は省きます。
(初見の方は、以下の関連記事にて確認してください。)
今宵紹介するのは、Mark GritsenkoとChristoph Hasselの2人組ユニット、Siamese Youthです。
まず驚いたのが、その出身地。
ドイツはベルリンなんですね。
DJ的な視点から言えば、シンセサウンド大国というか、テクノ大国のイメージが強い土地ですよね。
(メタルキッズにとっては、当然ジャーマンメタルですし、個人的にはEBMですね!)
先行するThe MidnightやFM-84などはアメリカの西海岸出身なので、ナチュラルボーンを強く連想するところではあります。
何はともあれ、まずはMVで世界観をチェックして頂きましょう。
このジャンルを当初から追いかけている身としては、感慨深いものがあります。
遂にゲルマン帝国からもシンセウェイヴのサウンドが出てきたのか、と。
(いや、出てきてしまった、とも言うべきか。。。)
これがアメリカのラジオから流れてきても何ら違和感のない、生粋の80年代リスペクトの文脈にあることは、紛れもない事実ではないかと思います。
プリミティブな音塊に沿うような、サビに至る音階の運び方も上手いですね。
ノスタルジックな骨格を、モダンなアレンジで聴かせる絶妙のさじ加減。
コレコレ、とお酒がグイグイ進みそうな世界観に、思わず笑みがこぼれます。
(ジャケのアートワークも微笑ましい。)
しかもデビューアルバムなのに、歌モノが多いんですよ。
これはもう、気合いの入り方も違いますね。
本作の1曲目のタイトルからして「1984」ですから、Siamese Youthの意気込みも半端なものではありません。
特に終盤の「Yesterday」と「1984 (Reprise) 」は抜群に良いですね。
シンセウェイヴ好きの皆さんも、心してこのサウンドの洪水を受け止めて欲しいです。
きっと、お気に入りの作品になると思いますよ。
- アーティスト: Siamese Youth
- 出版社/メーカー: NRW Records, under exclusive license to NewRetroWave, LLC
- 発売日: 2019/09/06
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ただ、全体的に少し物足りなく感じるのは、ギターやサックスのソロパートがほとんどないからだと思います。
得てして、楽器が「歌う」ことによって、エモーショナルは奥行きを広げていきます。
そこにはDTMの枠組みを超えたバンドサウンドの姿があり、当ブログでも繰り返し述べておりますが、シンセウェイヴの未来は果たしてそこにあると思うのです。
80年代のサウンドカルチャーがそうであったように。