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【映画】プレデターはやっぱりプレデターだった「ザ・プレデター」【ネタバレ感想】

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ザ・プレデター」(2018年)★★★★☆

劇場で鑑賞しました。

感想を残す前に監督のシェーン・ブラックについて言及しておきます。

 

この人、実は初代「プレデター」(1987年公開)に俳優として出演しているんですね。

ホーキンス役と言われても僕は思い出せなかったのですが、眼鏡をかけた通信兵と言われれば何となく覚えているレベル。

元々は脚本家としての素質があったようで、分かりやすいところで「リーサル・ウェポン」シリーズの脚本や原案などを担当してから一気に知名度を上げたタイプ。

また、監督業としての代表作は「アイアンマン3 」(2013年公開)、製作としての代表作は「ラスト・ボーイスカウト」(1991年公開)や「ロング・キス・グッドナイト 」(1996年公開)が挙げられます。

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印象としては、バディもの(相棒)が得意な方だと思いますね。

リーサル・ウェポン」なんてまさにそうですし。

脱線しますが、このバディとブロマンスというジャンルの間には一応線引きがあって、正確には同義語ではないです。

ブロマンスはバディよりも同性愛的なセクシャリティ要素を含む場合が多いですね。

もちろん「ロード・オブ・ザ・リング」や「スタートレック(JJトレック)」のように恋愛的な友情というのも含まれますし、近年は広義的にブロマンスという言葉が使われているので、バディものとの違いがあやふやになってきました。

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海外ではバディ・フィルムというジャンルで定義されているようなので、そこに分類されている作品を挙げてみます。

試しに15作品ほど挙げてみましたが、タイトルだけでも何となく相棒役の顔を思い出せる方が多いのではないでしょうか。

特徴的なのは、1980年代~1990年代に作られたバディ・フィルムは興行的にも成功を収めている作品が多いということ。

2000年代以降もバディ系の作品は多々ありますが、それらが全て成功を収めているかどうかというのは、少し微妙なところだと思います。

とはいえ、日本でもTVドラマの「相棒」シリーズは国民的な人気を誇っていますし、邦画にしても今年は「孤狼の血」という東映復活を印象付ける作品もありましたから、今後もバディ・フィルム系の作品はコンスタントにリリースされるだろうとは思います。

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ということで、この辺でようやく本題に入りたいと思います。

僕がバディの話を出したのは理由がありまして、要するにそれが本作に足りなかった点だと思うからです。

アクションシーンや話の展開が大変面白かったのは事実です。

冒頭からR-15指定な殺戮シーンもあり、その悪趣味な演出には思わず笑ってしまうほど。

しかしながら、主役のボイド・ホルブルックの相棒役が上手く機能しておらず、果たして相棒は軍人仲間の1人なのか、それともヒロイン?の生物学者なのか、最後までもやもやして焦点を外された格好です。

 

例えば初代「プレデター」の場合、シュワちゃんという強烈なキャラクターのおかげもあって、バディの存在が霞んでしまっても無問題でした。

確かにボイド・ホルブルックはイケメンだし、若かりし頃のメル・ギブソンを彷彿とさせるナイスガイですけども、キャラクターとしてはまだまだ印象は薄い。

やっぱりそこは、引き立て役というか、相棒的存在と常に共闘する流れが良かったのではないでしょうか。

プレデター(字幕版)

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僕みたいな外野が四の五の文句を言っても仕方ないのですが、本作の監督はあのシェーン・ブラックですからね。

バディ・フィルムの真骨頂が拝めると勝手に思っていたのです。

本作のように、今の映像技術で1980年代~1990年代のハリウッド的アクション映画を再構築するならば、脚本もバディ・フィルムに寄せて欲しかったなあというのが本音であります。

 

また、シリーズのファンからすると、新設定も多かったように思います。

そうした場合、過去作との辻褄合わせが論点になりがちですが、僕はこのプレデター関連についてはそこまで気にしなくていいのではないかと。

プレデターが人間を襲う、ただそれだけで血沸き肉躍るものがあるじゃないですか。

そもそもがこのシリーズ、継ぎ足しで作品が発表されてますからね。

プレデター2(字幕版)

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ただ、本作ではプレデターが異種交配によりキメラ化しちゃってるのですが、これが単純にパワーアップしただけで見た目も攻撃手段もほとんど変わらなかったことには驚きました。

お!?めっちゃ強いプレデター出てきたけど、身体デカいだけじゃん!みたいな。

それってジムで鍛えただけでは?みたいな素朴な疑問も生まれますよ。

異種交配で進化した最強のプレデターっていう風呂敷を広げるなら、例えば攻撃手段も進化して欲しかったです。ハイ。

あと気になるところでプレデター犬の存在、それからプレデター同士の内紛が意味不明というのもありますけど、話せばさらに長くなるのでこの辺でやめておきます。

とりあえず、劇場で観ておいて僕は正解でした。

プレデターファンはすでに鑑賞済みかと思いますけど、また続編が出れば必ずチェックすると思います。

駄作であろうとなかろうと、プレデターが出る、ただそれだけで観る価値があるのですから。