【Indie Rock】ハードコア出身のHundredth、5thアルバム「Somewhere Nowhere」で魅せた次世代ロックサウンドが素晴らしい!
Hundredth「Somewhere Nowhere」★★★★★
まず、Hundredthについては当ブログの過去記事を参照願います。
すでにそちらで明言しているように、彼らの5thアルバムには相当な期待をしておりました。
前作におきましては発展途上、いや進化の途上にあると言っても過言ではなく、膨張して拡散していく音楽性に余談を許さないというか、このまま一体どこに行っちゃうの?という期待と不安が交錯しておりましたからね。
ひとまず、新作のPVからチェックしてもらいましょう。
過去の記事でも予言していたように、インディーロック感がさらに強まりました。
そして何よりも、打ち込みサウンドとの親和性が本作の最大の特徴です。
恐らく、この進化はファンにとっても大歓迎ではないでしょうか?
(少なくとも前作が好きだった方には。)
曲調もバラエティ豊かで、特にリズムセクションに一層の工夫を感じます。
一般的なバンドサウンドでは8ビートや16ビートでしかカラーリング出来ない部分を、昨今のクラブミュージックなど他ジャンルから貪欲に取り入れている姿も好印象。
まさにオールドスクールとニュースクールが同居した、極めて唯一無二な次世代ロックサウンドに仕上げてきました。
アルバムはDinosaur Jr.やSonic Youthを彷彿とさせる部分があったり、New Order直系のWaveな普遍性を絡ませてみたり、そしてこのオルタナ特有の湿度の高さ、これはもうね、本当に色気がありますよね。
全体的にリズムセクションの多彩さで派手に見えますが、実は計算が高く、妙に落ち着いた作品だなと僕は感じました。
僕としては、昔、Rideを聴いていた頃を思い出しました。
彼らもデビュー当時は轟音シューゲイザーでパンキッシュなエッヂが効いてましたけど、それがプログレッシブな方向に進み、やがてはメランコリックで内向的なインディーロックに終着していきました。
そういう意味では、このHundredthに関しても、個人的には今が最も脂が乗っている時期と言えるのではないでしょうか。
さらに重要なことは、ロックサウンドの歴史を紐解く時、音楽機材の進歩なくして語ることは出来ません。
彼らは本作「Somewhere Nowhere」で身を持って実践しています。
果たしてこのアルバムがロック、いや音楽の歴史上において、至極真っ当に評価されることを願っています。