【Techno/Deep Trance】全4つ打ちファン待望のニューアルバム「Where We Start」をリリースしたDrunken Kongはクロスオーバーを再定義する!
Drunken Kong「Where We Start」★★★★★
男女混成、夫婦デュオとして活動中のDrunken Kongがアルバムを発表。
Techno系にはお馴染み、名門Tronicレーベルからのリリースです。
音の方は流石にChristian Smithに認められただけに、各楽曲とも文句なしの出来栄え。
Techno系とはいえ、昨今のアシッド”ブリブリ”サウンドとは一線を画す内容でして、むしろ往年のD-NoxやDave SeamanなどのProgressive Houseにも通じるDeep&Spacyな世界観がたまらないですね。
Technoに限定すれば、FilterheadzやD-Unityなどのグルーヴと非常に近いものを感じます。
僕自身、Deep Tranceという音楽性を追求していますが、Drunken KongこそDeep Tranceという言葉にふさわしい音像を体現しているように思います。
恐らく、Tranceカルチャーからの影響も大きいのではないでしょうか。
また、アンビエントやエレクトロニカ風味の楽曲に関しては、ともするとPsychedelicな雰囲気さえ漂わせています。
Technoの話に戻しますと、昨年あたりからシーンのトレンドとしてBPMが上昇傾向にありますよね。
ここ数年ずーっとBPM128付近だったものが、一気にBPM135ぐらいまで上がって来た感じ。
この現象については、名前は出しませんが新進気鋭のフィメール系DJ達による影響も否めません。
彼女たちの中には自身のSetでPsychedelic Tranceもプレイするぐらいですから、良い意味でTechnoシーン全体がBPMの呪縛から解放されたとも言えるでしょう。
(ヒント:煙草が似合うお美しいあのDJ。)
僕もDJとしてジャンルに縛られないことをポリシーとしています。
特にTrance、House、Technoの3つに関しては、お互いに音像が近接していますよね。
これを言っちゃうと各ジャンルの原理主義の方から怒られてしまいますが、自分のプレイスタイルに必要ならジャンルに縛られることなく、率先してクロスオーバーするべきなのです。
そこでフロアを「トランス状態」に持ち込めれば、果たしてそれはDJの面目躍如じゃないですか。
そういう意味でも、Drunken KongによるTechnoの解釈は本当に素晴らしく、今後もボーダーレスな活躍に期待しております。
この絶妙なバランス感覚とクロスオーバー感は、今だからこそもっと評価されるべき。