【Post Metal】サンクトペテルブルクの新星、Olhavaの2ndアルバム「Ladoga」はSaorやAlcestファンを虜にする!
Olhava「Ladoga」★★★★☆
記事タイトルにはPost Metalというジャンルを表示しましたが、正確にはBlackgazeです。
これはブラックメタルとシューゲイザーを組み合わせた造語で、2000年代以降に生まれた比較的新しいジャンル。
僕はメタル好きでシューゲイザー好きなので、この手のサウンドは大好物なんです。
直近では、Saorのアルバムを高く評価しました。
ブラックゲイズに関しては、Alcestが代表的なバンドです。
広義ではポストメタルですが、その内実はフランス産らしい耽美的な世界観。
当ブログではまだアルバムレビューに至りませんが、お勧めのバンドです。
それではOlhavaの最新音源からチェックして頂きましょう。
ちなみに本作「Ladoga」はアルバムとしては2作目となります。
デビューアルバム「Olhava」(2019年発表)も最高ですよ。
アルバムとはいえ、収録曲数はたったの2曲。
それぞれ15分と25分という尺の長さに思わず乾杯しそうな勢い。
どちらも、ブラックゲイズ特有の湿度が全体を包み込んでいますね。
まさに霧の深い森を想起させるような、アトモスフィリックな世界観です。
(古くからキリスト教においては、森は邪悪なる存在ですし。)
僕のお勧めはやはり最新作となる2ndアルバム「Ladoga」です。
10分超えの楽曲の合間に配置されたドローン的な音塊が、違和感を覚えることなく相乗効果を生んでいると思います。
本人達も自らを「atmospheric black metal, blackgaze, ambient, drone」と形容しておりますから、そこがこのバンドの本懐といったところでしょう。
ただひとつ、サウンドプロダクションが残念だったので星を1個下げました。
シューゲイザー自体はLo-Fiな質感も大事な要素です。
しかしこれがメタルと近接した場合、各楽器の輪郭はある程度ピントが合った方が僕は好き。
例えば、本作のVocalなどは、もう少し前に出しても(=フォーカスしても)良かったのではないでしょうか。
とはいえ、この世界観は一聴の価値ありです。
個人的には、この手のサウンドがロシアまで飛び火したことに驚きました。
(何となく、東ヨーロッパに似合うイメージはありますよね。)
ジャケのアートワークも文句なしに素晴らしい。
今後の活動に期待しています。