【まとめ】J-Pop系男性ソロボーカリスト黄金時代を振り返る
昨日、upした村上佳祐の記事。
楠瀬誠志郎を引き合いに出して王道ポップソングの重要性を説いたばかりですが、思えば男性ソロボーカリスト黄金時代というのがかつての日本にはありました。
要するに実力派のシンガーソングライターが雨後の筍のようにシーンに出てきた時代。
当時の街には必ずCDショップがあり、アーティストが音楽で成功するのも夢ではありませんでした。
そこで今回は、1980年代以降のJ-Pop史において、その名を刻む男性ソロボーカリストを独断と偏見でまとめてみます。
どうぞ、お酒でもやりながら読んでみてください。
(一発屋はなるべく除外します。)
久保田利伸(1986年デビュー)
まずは最初にこの御方を紹介しなければいけません。
驚異的な歌唱力と日本人離れしたリズム感の持ち主として今も現役活動中の久保田利伸です。
少し前にライブにも行きました。
歌、やっぱり上手いです。
そして楽しいです。
こうしたR&B的なバラードだけではなく、アメリカ産のブラックミュージックを上手くローカライズさせた点など、その功績はJ-Pop界においても計り知れないものがあります。
その後に登場するMisiaへと続く一筋の流れを作った方、とも言えるでしょう。
徳永英明(1986年デビュー)
この曲が発表されたのは1990年ですが、デビューからその年までに発表された楽曲のクオリティが異様に高いです。(「レイニーブルー」「風のエオリア」「最後の言い訳」「恋人」「夢を信じて」など)
その透明感あふれる声質で多くの女性ファンを魅了しました。
一時期、体調悪化のためシーンから離脱しましたが見事に復帰。
大晦日のNHK紅白などで元気な姿を見せたのも記憶に新しいところです。
槇原敬之(1990年デビュー)
Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LIFE
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J-Popの潮流を変えた偉大なシンガーソングライター、それが槇原敬之です。
特に内観的な視点で書かれた日記調の歌詞は衝撃的でした。
日記帳でありながら情景描写をも可能にする文学的センス。
そこに日本人好みな哀愁美旋律をちりばめるという、類まれなポップスの才能を持った偉人です。
これは「詞先」という歌詞を先に作って曲を書くという手法から生まれたものです。
彼の功績についてはスペースが足りなくなってしまうので、また別の機会で記事にしたいと思います。
楠瀬誠志郎(1986年デビュー)
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山下達郎のバックコーラスを務めていた経歴を持つ、職人肌のボーカリスト、それが楠瀬誠志郎です。
もちろん現在も現役活動中であり、ボイストレーナーとしてレッスンスタジオを主宰するなど、やっぱり根っこは職人気質。
松岡英明(1986年デビュー)
GOLDEN☆BEST 松岡英明~シングルズ 1986-1994~
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知る人ぞ知る、というわけではないと思いますが、松岡英明も好きなボーカリストでした。
特にデビュー曲「Visions of Boys」は布袋寅泰とホッピー神山によるプロデュース作品となっており、当時としてはかなり近未来的なサウンドでした。
TM NETWORKがちょうど「Come on Let's Dance」を発表した頃ですね。
個人的には「I Wanna Know Because I Don't Know」というポップの塊のような曲に、松岡英明の凄味を感じたのをよく覚えています。
中西圭三(1991年デビュー)
All Time Best~KEIZO’s 25th Anniversary(通常盤)
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キャラ的に久保田利伸とカブり気味で、登場時は二番煎じ感が強かった方ですが、いやいやどうして、その歌唱力は素晴らしいものがありましたし、Zooに「Choo Choo TRAIN」を提供したことでも有名です。
後にExileでも「Choo Choo TRAIN」がカバーされますが、そういった経緯を含めて、Exileファンは彼に足を向けて寝れないはずです。
もちろん、現在も活動中。
大江千里(1983年デビュー)
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1991年に発表された「格好悪いふられ方」(23枚目のシングル)でブレイクした遅咲きの実力派シンガーソングライターです。
トレンディドラマ全盛期ということもあり、彼のように実力があってもタイアップに辿り着けないと売れない、というのは今も昔も変わらないような気がします。
トレードマークの黒縁眼鏡も流行りましたよね。
横山輝一(1986年デビュー)
K's Like 'dis 〜 Kiichi‐Yo Best Trax
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こちらも知る人ぞ知るになってしまうのでしょうか、北海道出身、横山輝一です。
とにかく、1993年に発表したこの「Lovin' You」は衝撃的でした。
もはやこれ、洋楽ではないかと。
しかもこんな日本人ボーカルがいたのかと、カルロス・トシキ以来の衝撃でした。
当時、音楽はテレビとラジオでチェックしていましたが、ラジオの番組で彼のライブチケットが当たり、1人で観に行ったことを覚えています。
僕がまだ中学生の時でした。
小野正利(1992年デビュー)
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J-Popの土俵では一発屋のイメージが強い小野正利ですが、現在はヘヴィメタルバンドGALNERYUSのボーカルとして唯一無二の存在感を放っています。
特にハイトーンボイスを駆使した安定感抜群の歌唱力は日本トップクラスでしょう。
元VOWWOWの人見元基先生に負けずとも劣らない、屈指のボーカリストです。
人見元基(1983年デビュー)
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少し脱線します。
J-Popのフィールドからは外れますが、世界にも通用する日本人ボーカリストと言えば、真っ先に人見元基の名前が挙がります。
ネイティブな英語発音と驚異的な声量でシャウトするそのスタイルは今でも色褪せることがありません。
現在は某高校の英語教師として教壇に立っており、年に数回ライブをする程度。
たまに文化祭でその歌唱力を披露することもあるそうで、いやはや羨ましい限りです。
KATSUMI(1990年デビュー)
ハスキーボイスとソバージュヘアーがトレードマークのKATSUMI。
その音楽性はZARDや大黒摩季などビーイング系ミュージシャンに通じるものがありますが、当時のJ-Popの作風を裏付ける内容であることは間違いありません。
楽曲提供など、現在も精力的に活動中です。
米倉利紀(1992年デビュー)
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その甘いマスクで瞬く間に女性ファンを獲得した色男、米倉利紀。
それなのに歌もダンスも上手いとは、天は二物を与えるものですね。
久保田利伸の弟分的存在にも見えますが、音楽的に同じブラックミュージックをルーツとしている以上、両者の比較はある程度免れないと思います。
ここ数年はベストアルバムのリリースが多いのですが、現在も活動中です。
岡村靖幸(1986年デビュー)
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もはや説明不要でしょうか、変態的天才シンガーソングライター、岡村靖幸です。
そのアバンギャルドでエロティックな音楽性は、J-Pop広しと言えども、唯一無二の存在感と言えます。
覚せい剤で3回逮捕されているのも「変態的」ですが、ここ数年は安定感のある地道な活動となっている模様。
唯我独尊。
福山雅治(1990年デビュー)
最後に紹介するのは、皆さんご存知、福山雅治。
俳優業とミュージシャンを兼業する、才能豊かなボーカリストです。
彼はもうすぐ50歳になりますが、個人的にはこれからがとても楽しみです。
アーティストには円熟期というのがありまして、楽曲にこれまでの人生や経験が滲み出てくる側面があるからです。
特にシンガーソングライターは自分で作曲し、それを歌うわけですから、そうした経験値が増えれば自ずと魅力も倍増します。
(DJも同じく、キャリアを積めば積むほど、良いプレイが出来ると思います。)
今回紹介したアーティストは、ほぼ全員、現在も活動中です。
1980年代から活動していることを考えると、30~40年ぐらいのキャリアになっているわけです。
そう考えると、当時を知らない人も、今のうちに彼らの音楽に触れておくのが良いかもしれません。
今回紹介した中で、再びブレイクする人が出てこないとも限りませんので。
ということで、以上、現場からでした。