NEODEAD MANIA

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【音楽評論】Coldplayを3秒で説明する

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Vocal:Chris Martin (1977/3/2) -wikipedia

 

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Producer:Brian Eno (1948/5/15) -wikipedia

 

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Video Director:Mat Whitecross (1977/9/21) -wikipedia

 

はい、ここまで3秒、つまり、そういうことです。

この先はお時間のある方のみ、お付き合いください。

 

 

すでに21世紀を代表する世界屈指の存在となったColdplayですが、僕が彼らの音と出会ったのは今から17年前、2000年発表の「Yellow」でした。


Coldplay - Yellow

Yellow

Yellow

バンドサウンドでありながら、極限まで引き算発想で構築されたアコースティックな世界観、そして普遍的な愛を刻んだ歌詞、加えてBからF#、F#からEという甘美なコード進行&印象的な美旋律、全てがパーフェクトでした。

もちろん、この曲が収録された1stアルバム「Parachutes」は今でも名作だと思っています。

しかし、2ndアルバム「A Rush of Blood to the Head」では作家性と大衆性の狭間でバンドの音楽性は大きく揺れ動きます。

それを証拠に、最も大衆性に傾倒した3rdアルバム「X&Y」は、世界各国のチャートを独占、セールス的には頂点を極めます。

そこに一抹の不安を抱いたのがColdplay自身です。

行き過ぎた大衆性への打開策として、4thアルバム「Viva la Vida」ではプロデューサーにBrian Enoを迎えるのです。

ここが彼らの転機です。


Coldplay - Viva La Vida

Viva La Vida

Viva La Vida

  • コールドプレイ
  • ポップ
  • ¥250

僕のブログを読む方で、この曲を聴いたことがない人はいないと思いますが、まさにこの曲でColdplayは作家性と大衆性という狭間において、芸術性という杭を打つことに成功しました。

また、本作の後に発表したEP「Prospekt's March」における「Life in Technicolor II」も「Viva La Vida」に匹敵する高品質なポップソングとして好セールスを記録。


Coldplay - Life In Technicolor ii

Life in Technicolor ii

Life in Technicolor ii

  • コールドプレイ
  • ポップ
  • ¥250

ここで十分な手応えを得たColdplayは、続く5thアルバム「Mylo Xyloto」でもBrian Enoと再び手を組み、ポップスの土俵における芸術性の昇華というチャレンジを続けます。


Coldplay - Charlie Brown

Charlie Brown

Charlie Brown

さて、そろそろこの辺でMat Whitecrossを紹介しなければなりません。

彼はChrisと同世代で同じUK出身というVideo Director。

この「Charlie Brown」のPVもMat Whitecrossが担当しています。

特に、6thアルバム「Ghost Stories」における代表曲「A Sky Full of Stars」のPVはお見事でした。


Coldplay - A Sky Full Of Stars (Official Video)

A Sky Full of Stars

A Sky Full of Stars

EDM的な打ち込みのせいで、アルバムの中では少し浮いた存在となっていた楽曲ですが、Mat WhitecrossのおかげでColdplayとしても全く違和感のない仕上がりとなりました。

こうした映像によるイメージ戦略としては、それこそMTVの時代から音楽界では重宝されてきましたが、Coldplayの場合、センスよく見せる演出、つまり芸術性を加味することでバンド本来の音楽性がよりリスナーにフォーカスされるという相乗効果を生んでいます。


Coldplay - Adventure Of A Lifetime (Official Video)

Adventure of a Lifetime

Adventure of a Lifetime

現時点で最新作となる7thアルバム「A Head Full of Dreams」の先行PVという形で発表された「Adventure Of A Lifetime」もMat Whitecrossが手掛けており、バンドと良好な関係が続いていることを示しています。

ちなみにこのアルバム、一見するとバラエティ豊かで統一感に欠ける内容と思われがちですが、実際のところ、かなりコンセプチュアルにまとめられています。

何度かリピートしていただければ、Coldplayがすでにベテランとして円熟期に突入しているのがよく分かると思います。

(僕も以前、記事にしています。)

冒頭の画像は3秒でしたが、評論は長くなってしまって申し訳ありません。

少しでも多くの方に彼らの芸術的なポップ魂が伝われば幸いです。

8月には待望の新作となるEPも発表されますので、ファンは要注目ですね。

カレイドスコープ(EP)

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Kaleidoscope EP

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