NEODEAD MANIA

DJねおでっどプレゼンツ、エンタメあれやこれ。

Outlast Part-1

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海外製ゲーム、いわゆる洋ゲーには日本で発売されないものが結構ある。

例えば日本で知名度の低いキャラゲーなどは、果たして損益分岐点まで売上が達するかどうかの情勢を見極める必要があり、ローカライズを引き受けるパブリッシャーも当然ながら慎重となる。

これは開発費はもちろんのこと、広告費まで盛大に使うことになるわけで、ここ数年における日本の家庭用据置機ゲーム業界の不況っぷりを見れば、誰しも及び腰になるのは仕方のないことだろう。

 

もう1つ、そもそも日本では発売できないものがある。

これは倫理的な問題を含む、いわゆる残酷描写などが原因により日本版の発売が困難となるケースだ。

例えばあの「GTA」でも有名なRockstar社は「Manhunt」というゲームにおいて、バリエーション豊かな殺戮方法をプレイヤーに提示してみせたのだが、このせいでイギリスでは発禁処分となり、日本でも結局ローカライズされることはなかった。

特に我が国ではCEROという独自の倫理審査機関の存在もあり、いざ発売に漕ぎ着けたとしても、四肢欠損描写は基本的にNGであり、酷い時には人間の血の色が緑色にもなったりする。

 

方や、映画の世界ではそこまでの規制の話はあまり聞かれない。

せいぜいSEXシーンで興醒めなモザイクが入る程度で、残酷描写についてはほぼオリジナルを尊重し、劇場ではR-18などの年齢制限を施すのみ。

例えばドイツで発禁処分となった「ネクロマンティック」を普通にレンタル屋で借りることが出来る国、それが日本だ。

 

同じエンタメの部類でありながら、この差は一体何なのか、甚だ疑問である。

そもそも、Z区分という18歳未満禁止のカテゴリーをCEROが規定した以上、煙草やお酒のように販売時の年齢確認を厳格にすれば良いことで、ゲーム本編に開発者の意図しない規制を加えることは理解に苦しむ。

確かに、凶悪犯罪が起こった時には何かと批判の矛先となるゲーム業界だが、それではイスラム国のPR映像や残首シーンなどを繰り返し放送したTV業界は無罪なのかという話にもなる。

表現の自由とのせめぎ合いはどの業界においても発生する難しい問題だが、せめて統一された基準を明確にするのがCEROの役割であり、義務だろうと思う。

 

さて、前置きが長くなってしまったが、今日からプレイ日記をスタートする作品は、恐らく日本で発売することは不可能であろう、いや発売されたとしても規制だらけになるであろう、残酷描写てんこ盛りの凶悪ホラーゲーム「Outlast」だ。

すでに2013年には北米でリリースされており、PS4版は北米アカウントさえ持っていれば日本からでも購入が可能。

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驚くべきことに、最新のアップデートによりゲーム内は日本語化されている。

近い将来、日本版発売の可能性も否定出来ないが、先にも述べたように北米ストアで手軽にダウンロード購入出来るなら、迷わずこのオリジナル版をプレイすべきだろう。

規制がなければ興醒めすることもない。

加えて価格も良心的であり、しかしその分ボリュームは少ないと思われる。

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さて、このゲームの主人公は記者という立場であり、舞台は精神病院となる。

何らかの事件が発生したとの情報を受け、主人公は単身でこの病院に潜入取材するのだ。

チョットマッテチョットマッテオニイサン、私なら1千万積まれても断る話である。

なぜなら、無事に生還出来るかどうかは一切保証されていないのだから。

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ホラーというジャンルにおいて、私は2つの要素が特に重要だと考えている。

それは「密室」と「暗闇」という空間だ。

そこに緊張と緩和を交錯させた演出をぶち込むことで、プレイヤーの精神は一時的な麻痺状態に陥る。

その点、本作はご覧の通り、ホラーとして申し分ない舞台設定である。

まさに「バイオハザード」の洋館を彷彿とさせる佇まいではないか。

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ここで画面の角にある文字を見れば一目瞭然だが、本作におけるプレイヤーの目的はこの病院を取材し、無事に脱出することにある。

そう、取材と言えばビデオカメラである。

この「ブレアウィッチ」的POVホラーは2015年の今でこそ新鮮さを感じないが、自らプレイヤーとしてカメラを操作するとなると話も変わってくる。

そんな経験はあまりないが、、、ゲーム好きならここでピンと来ただろう。

 

 零 ~濡鴉ノ巫女~

 

 なんだ、和風ホラーゲームの金字塔「零」と同じではないかと。

確かに両者ともカメラを使った攻略が主軸となるのは同じである。

しかし、「零」がそのカメラ(映写機)を使って悪霊を封印するのに対し、この「Outlast」は被写体を「撮影するだけ」なのだ。

バールのようなもの」さえ持つことが許されないという鬼畜の世界。

つまり、もし狂った精神病患者に襲われた場合、ただひたすらに逃げるしかないという恐怖。

この点は「零」とは明確に異なるトピックだと思うので、最初に確認しておきたい。

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加えてこのビデオカメラには暗視モードが備わっており、暗闇においては当然に多用することとなる。

また、この暗視モードはバッテリーの消耗が激しいため、探索の際には落ちているバッテリーをきちんと拾っておく必要がある。

もしもバッテリーの在庫が底をついてしまったら、、、それはもう阿鼻叫喚の地獄となるだろう。

 

その他、基本的な注意事項はそれぐらいである。

走ったり、ジャンプしたり、しゃがんだりすることも出来るが、それ以外に特徴的な動作もなく、平均的なFPS視点のゲームである。

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当方は取材に来ているので、バッテリー以外にもファイルやメモを拾うことになる。

ご覧の通り、きちんとした日本語化が施されているので英語が苦手な方も安心して欲しい。

吹替ではないが、しっかりと字幕も表示されるので話の筋も掴みやすいと思う。

ただ、多くの洋ゲーがそうであるように、決定ボタンが○ではなく×であるところは注意したいところ。

ちなみに現在攻略中の「ウィッチャー3」ではその決定ボタンを変更出来るオプションが用意されており、そこにローカライズの真髄を見た気がする。

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このように、序盤から怖過ぎるのでホラー系に慣れている方でもそれなりの覚悟は必要かもしれない。

ちなみに私は部屋の電気を消し、サラウンドヘッドフォンでプレイしているが、たった30分のプレイでも5回ぐらいは簡単に悲鳴を上げてしまっている。

大の男が、あまりの怖さで、泣き笑いのように身悶えている様子は、絶対に他人には見せられない。

そう、ここには大人のための本当の娯楽があるのだ。

 

つづく

 


Outlast - Official Trailer from Red Barrels (Full ...