【Deep Trance】Techno系では10年に1人の逸材、Ae:therのデビューEP「Me」の凄さ
Ae:ther「Me」★★★★★
ローマ出身のTechno新世代、Ae:therがデビューEPを発表しました。
自身のサウンドを「From another planet」と標榜しているように、TechnoをベースにAmbientやExperimentalといったアトモスフィリックな要素をちりばめた世界観。
僕がDJ Mixを制作する時も、彼の楽曲には大変お世話になっています。
物語の奥行きを表現する中で、こうしたDeep&Spacyな楽曲は必要不可欠なのです。
そして今時珍しい、ロン毛のイケメンっぷりなルックスも見逃せません。
(そもそも、Techno系は坊主勢がめちゃくちゃ多いですから。)
現在はベルリンを拠点に、DJ及びプロデューサーとして精力的な活動を続けている彼ですが、その楽曲の特徴として、太いキックとベースに絡みつくように配置された単音シンセのスパイラル感が、非常に狡猾で魅力的ではないかと思います。
言われてみれば確かに、宇宙を飛び交う正体不明の電波音のようにも聴こえてきます。
こうした”インターステラー”的な楽曲は、現在のTechno系サウンドの座標にはあまり見当たらず、それがAe:therとしての個性に繋がっているのは言うまでもありません。
直接的な影響の有無は分かりませんが、TrentemollerやTelefon Tel Avivの系譜に近いとも言えますね。
(もっと最近で言えば、Petar Dundovにも近接しているかもしれません。)
そう考えますと、歴史的な参照点としては、やはりBrian EnoやTangerine Dream、そしてGlobal Communicationあたりではないかと推測します。
こうした過去の偉大なる音楽文化遺産を引き継ぎ、その精神性をも今の時代にアップデートしたところに、Ae:therとしての存在意義があるわけです。
従って、10年に1人というのは決して大袈裟な表現ではないと確信しております。
ぜひ、このDeep Tranceにも通じる世界を体感してみてください。