【映画】果たして、人は過ちを繰り返すのか「帰ってきたヒトラー」【ネタバレ感想】
「帰ってきたヒトラー」(2015年)★★★★☆
僕の好きなゲーム「Fallout」では念仏のように聞かされるセリフがあります。
「人は過ちを繰り返す」
この映画も根底にあるのはその思想。
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そしてヨーロッパ、特にドイツにおける移民問題にフォーカスしているので、かなり現実味のある内容になってますね。
もちろんヒトラーは本国でもタブー的な扱いでしょうし、それをゲリラ的な撮影で演出するシーンもあって、なかなかドキュメンタリーっぽい見せ方が良かったです。
例えばそうした市民の声に「過去のドイツは酷いことをしたから、今は何も文句は言えない」という内容のものがあって、これは自虐史観とかいう話ではなく、心情的に妙に納得した部分もありました。
また、ヒトラーは民主的に選ばれた人間であるというところに、今のトランプ大統領の姿も重なりますし、果たして民主主義とはパーフェクトな社会システムなのか?という長年の疑問を明快に問いかけてくる映画でもあります。
テーマとしてはどうしても重くなってしまうものを、終始コメディタッチで描いていますので、こちらも笑いながら気軽に観ることが出来ました。
ただ、この軽妙なタッチが次第に不気味な印象をもたらしていく様子は、まるでホラー映画のようで、例えば「本当は怖いグリム童話」みたいな感じ。
現実から目を背けてはいけない、という製作者の意思も汲み取ることが出来ました。
元からドキュメンタリー好きなので、これは面白かったです。
(ヒアリング的にドイツ語が気になる人は吹替版で観ましょう。)