【映画】テンポが良くないホラーとは「インシディアス 序章」【ネタバレ感想】
「インシディアス 序章」(2015年)★★★☆☆
原題は「Insidious: Chapter 3」となっておりますが、時間軸としてはエピソード0的な作品なので、今作に限っては邦題グッジョブですね。
監督はジェームズ・ワンと「SAW」シリーズからタッグを組んでいるリー・ワネル。
リー・ワネルは脚本や俳優としても活躍している人ですが、今回が初監督作品となる模様。
しかしこれがまた少々テンポの良くない作品に仕上がっています。
説明的過ぎるというか、間が抜けているというか、前作までにあったような疾走感や緊張感が見事に抜け落ちていますよね。
ホラー映画でありながらも、練り込まれたシナリオのおかげで人気を得ていたのがこのシリーズなわけですが、伏線回収の面白味や適度な「緊張」と「緩和」の演出はあるものの、全体的には予定調和で退屈に感じてしまいました。
当初、エピソード0と聞いた時はもっと古い話かと思ってました。
ところが「インシディアス」の数か月前という設定だったので、これはもう序章というより、前日譚ですよね。
登場する数々の霊体も「インシディアス」にきちんと引き継がれていきますので、そういう地続き的な楽しさはありましたが。
ホラー映画としては、これはどうなんでしょう。
終盤で家族愛や親子の絆にフォーカスしていましたが、それによって何だか作品全体が安っぽくなってしまったような気がしないでもないです。
あえて言うなら、主人公たちが急に和みだす火曜サスペンス劇場のエンディングみたいなノリも果たしてどうなんだろう。
ということで、ホラー映画としての恐怖演出に関してはあまり期待しない方が良い部類ですね。
シリーズのファンとして一応チェックが必要かなというレベル。
次回作に期待しましょう。