【TPS】Dead Space 2 レビュー(Xbox 360)
「Dead Space 2」★★★★☆
2011年に発売されたホラーTPS「Dead Space 2」の実績を回収中。
初代「Dead Space」の衝撃的な完成度の高さもあって、かなり期待された中で発売された本作ですが、思った以上にアクション寄りのテイストには、わりと残念な声が多かった気もします。
僕もそのうちの1人で、ゴシック・ホラー的な要素が後退しちゃったのが不満で、キャンペーンも1周でやめてしまいました。
その際に取りこぼした実績も多かったので、この機会にXbox One Xで再起動となった次第。
いつものように軽くネタバレしながら感想を残します。
オープニングから"遊星"直系なクリーチャーが多数登場するので、今回もグロ耐性のない方には注意が必要な作品です。
言うまでもなく、四肢欠損描写てんこ盛りですから、日本はもちろん、ドイツなど検閲の厳しい国では未だに発売されておりません。
特に日本の場合、エロ表現については若干ユルめな印象もあるのですが、こうした残酷描写については非常に厳しい面があり、巷で議論されるCERO問題なども各所で散見されるところであります。
本シリーズの場合、敵はもっぱら寄生生命体となります。
つまり、人間の死体に寄生してゾンビ化してこちらに襲い掛かってくるわけですね。
このときの生命力及び戦闘力が凄まじく、手足を切断しても地を這いながら攻撃してきます。
当然ながら、こちらは踏みつけ等によって四肢欠損=バラバラの状態にしておく必要に迫られるわけです。
ムービーで残酷描写を見せられるだけならまだしも、プレイヤー自ら死体を損壊するという倫理面での課題が残りますので、到底日本で発売されるわけがありませんね。
とはいえ、旧来の「バイオハザード」を正統進化させた"サバイバル・ホラーTPS"というジャンルの中では、間違いなくトップクラスのクオリティを誇るシリーズです。
僕も過去のゲームブログにおいて、初代「Dead Space」には100点満点を捧げました。
(当時、100点の評価をつけたのはそれ以外に「Fallout 3」と「Batman: AA」のみ)
そこで今回の「Dead Space 2」の話となるわけですが、さすがに100点満点の出来とは言い難いところです。
理由はいくつかあります。
先に述べたように、本作はゴシック・ホラーからアクション・ホラーへとジャンルを移した作品で、これが一部のホラー好きプレイヤーとの齟齬を生んでいる気がします。
例えば、映画「エイリアン 1」と「エイリアン 2」と言えば、その趣旨の違いが分かりやすいでしょうか。
確かにアクションシーンの増加により、TPSとしてのゲーム性は増しているものの、陰湿的な恐怖感という点では物足りなさが残りました。
また、前作とほとんど変わらないマップデザインには、少々手抜き感も漂います。
(高低差のない船室のような居住区域が行動範囲になること、そして前作の舞台となる「石村」マップの使いまわし等)
キャンペーンにおいては「バイオハザード」のような謎解き要素がほとんどないため、そこは快適にプレイすることが出来ますが、個人的には前作で見たような風景が多かった印象です。
SF好きなのでそこは愛でカバー出来ますが、目新しさという意味では少し寂しい。
しかし、ゲームシステム等、各所にブラッシュアップが施されているので、開発の苦労は自然と伝わってきます。
例えば武器の追加や主人公が身にまとうスーツの種類。
それに関連するスキルツリーによるカスタマイズ性などは、ある種RPG的な雰囲気さえ漂わせています。
また、本シリーズを語る上で欠かせないのが、そのユーザーインターフェイスの見事な設計なのですが、例えば上の画像をご覧ください。
これがプレイ画面となりますが、他のゲームでよく見かけるような、プレイヤーの体力ゲージやテキストの類が画面上に一切ありません。
思えば「ICO」のプレイ画面も当時は衝撃的でしたが、こうしたシンプルな設計はゲームへの没入感を高める効果があると思います。
シリーズの特徴でもあるスーツのデザインも、サイバーパンクを基本としながらも、前作のようなスチームパンク風なデザインも採用。
元々がエンジニア設定の主人公ですから、機能性を重視したデザインはこのゲームの世界観にも合致していると思います。
マスクが内側から光るのも良い演出ですね。
シナリオに関しては、全編英語版ということもありますが、よくあるホラー映画の常道に沿った流れなので、映画ファンには理解しやすいと思います。
アクション・ホラーとはいえ、前作よりも主人公アイザックの内面に焦点を当てているので、パーソナルな物語とも言えます。
続編という意味では、恐らく間違っていない方向性と言えるのではないでしょうか。
終盤では、文字通り"目を背けたくなる"場面も登場します。
ホラーファンにとっては待ってましたと言わんばかりのシーンですが、軽くトラウマになる恐れもありますので、取扱注意でお願いします。
(僕は3回ぐらい失敗しました)
さて、今回改めてキャンペーンを1周してみましたが、当時よりも結構楽しめました。
前作よりも凶悪化した無数の敵をどうやって倒していくか、というシューター部分に注目することで、攻略を練る面白さがあるんですよね。
それは武器の種類だったり、マップ構造の利用だったり、ステイシスの活用であったり。
その辺を冷静に考えると、周回プレイを前提とした設計であることに気付かされます。
僕のように、1周やって放置しちゃった、という方はもう1度プレイしてみるのも一興かもしれません。
恐らく、新しい発見があると思います。
さて、実績は9割ほど解除出来ました。(900/1250)
最高難易度でセーブは3回まで、という鬼畜実績もありますが、今のメンタルだと絶対に不可能なのでコンプは見送ります。
それと、本作からマルチプレイが実装されましたが、実績はキャンペーンに関わるものばかりなので、そこは本当に良心的であると言えます。
実績的にも、内容的にも満足出来るキャンペーン主体の作品って、そんなにありませんから。。。
- 出版社/メーカー: Electronic Arts(World)
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では、この勢いで「Dead Space 3」も再起動させてみたいと思います。(つづく)