【Synthwave】チャンネルはFM-84のままで
FM-84「Atlas」★★★★★
サンフランシスコを拠点とする次世代シンセポップアーティスト、FM-84が1stフルアルバム「Atlas」を発表。
昨年リリースされた「Los Angeles EP」よりもさらにエモーショナルな仕上がりで、これは80s懐古ファンにとっては刺激的な1枚となるだろう。
加えて、アルバム全体を覆うサウンドプロダクションのクオリティが異様に高く、レトロモダンな昨今のNu Discoというジャンルを象徴するかのような作風である。
参考に、Bandcampにおける宣伝文章を以下に転載しよう。
「The album is the story of wonder, imagination, dreams, youth, innocence, love and heartbreak all captured under the golden light of a fading summer sun. It's a soaring cinematic journey to the sound of a summer long gone. 」
まさにこの文章通り、シネマティックでサマーオブラブな内容である。
特に「Running In The Night (feat. Ollie Wride)」「Wild Ones (feat. Ollie Wride)」「Goodbye (feat. Clive Farrington)」の3曲は本作のハイライトであり、これが21世紀、2016年の今の時代に聴けること、これはしっかりと神に感謝しなければならない。
単純に懐かしいという表現では説明のつかない、リスナーの情感に訴えかける音作り及びアレンジは、Cinnamon ChasersやEmpire Of The Sun、Tesla Boyなど先輩格にあたるシンセポップアーティストに勝るとも劣らない品質である。
重ねて申し上げるが、この音質の素晴らしさはぜひとも体験してもらいたい。
音楽は楽曲の良し悪し以前に、良い音質が担保されているかどうかが重要である。
これはインギーファンならみんなが知っていることだ。
例えば極端な話だが、Youtubeがモノラル音質(AMラジオのような)になれば、CDやダウンロードによる音楽の売り上げは少なからず上昇すると私は考えている。
それは昨今のレコード会社によるリマスター商法を見れば一目瞭然であろう。
好きな音楽は良い音質で味わうこと。
この基本を改めて確認させてくれたFM-84。
先人の音楽に敬意を払うその姿勢に、最大級の賛辞を贈りたい。
FM-84 - Running In The Night (feat. Ollie Wride) - [OFFICIAL MUSIC VIDEO]
FM-84 - Wild Ones (feat. Ollie Wride)
FM-84 - Goodbye (feat. Clive Farrington)